ここ最近は、単発バイトでその日暮らし。
自分のタイミングで働く予定を間際に決めることができる。
この働き方が、今は心地よい。
金銭的な不安は拭えないけどね。
少し、思い出話がてら、無職になった経緯を綴ろうと思う。
お恥ずかしながら、私はいわゆる「バイト続かない人間」だった。
人生初のバイトは大学2年生の終わりあたりだったかと思う。
一年も続かず、辞めてしまった。
その後、2つほど違う仕事をしてみたが、それらも半年そこそこで辞めてしまった。
そしてその後、プライベートでも家族関係でも色々と重なり、
そもそも高校時代に発症した精神的な問題もあったにも関わらず、騙し騙し生活していたツケも回って来て、
バイト云々言ってる場合ではなく、学業すらかなりしんどい時期だった。
そうなる直前に雇ってもらった場所が、ついこの前まで働いていた職場だった。
精神的にも問題がありまくり、コミュニケーションもままならない、
何かにぶち当たると、当時は破壊衝動と自傷衝動に駆られ、周りに迷惑をかける、そんな私だった。
誤解を恐れずに平たく言うなら、メンヘラというやつだ。
もちろん、この職場でも上手くいかないことが多々あった。
ただ、今までと決定的に違ったのは人間関係だった。
大手チェーン店だからというのもあるかもしれないが、
出勤すれば至極丁寧な研修制度が私を待っていて、
勤務中は先輩が付きっきりで教えてくれたり助けてくれる。
お店の方針でもあるが、伝え方、教え方も徹底していて、
「なんでこんなこともできないの?」
「遅い」「とろい」「邪魔」「使えない」
なんて言われたことはない。
「今のやり方、こうした方が早くできるよ」
「今から一回接客見せるから、自分のと何が違うかなぁって考えながら見ていてね」
こういう指導の仕方だった。
それが、私にはとても合っていたのだ。
中にはガッチガチのマニュアルを窮屈に思う人もいたが、
私にとっては、一つ絶対的な正解があった方が動きやすかった。
勤務が終われば、先輩や同僚と他愛のない話をする。
年齢も近い人が多く、共通の趣味もあったりして、よく飲みにも行った。
前述した理由で大学に通うことが難しくなってきた時も、
シフトの量は相談しつつ、在籍し続けて無理のない範囲で働いた。
お互いがお互いを否定しない、そんなバイト仲間と働くと、少しだけ気が紛れて楽になった。
結論から言うと、
大学はなんとか卒論まで書き、卒業した。
だが、就職活動をしなかった私は、そのままこの職場に居座ることとなる。
学生でなくなった分、ガッツリとシフトに入るようになると、
所謂バイトリーダー的なポジションに就いてみないかと打診される。
もともと在籍していたリーダーたちが、タイミング悪くごそっと辞めることになってしまったからだ。
私は正直リーダーには向いていない性根なのだけど、
大事な居場所だったので、仲間達と助け合いながらリーダー業をすることにした。
そう、大事な居場所だったんだ。
辛くてしんどい時期に、クソみたいな私を見捨てずに支えてくれる仲間がいたんだ。
落ち込んでいれば冗談言って笑かせてくれたり、
時には一緒に遊びに行ったり飲みに行ったり…
退勤したその足で花火大会に行ったこともあったなぁ…
大晦日から元日にかけての夜勤上がりには、そのまま初詣に行ったり…
鬱蒼とした学生時代を送って、青春なんて謳歌したことなかったけど、
ここでの日々で、それを取り戻していた。そんな感覚だった。
仕事は大変なこともあったけど、みんなでフォローし合ってなんとか前を向けていた。
大事な仲間が、一人、また一人、
就職が決まったり、中には芸事で食べていけそうだからと、
辞めていった……否、卒業していった。
私はそんな仲間達の門出を自分のことのように嬉しく思ったし、
笑顔で見送った。
気づけば、私の名前は従業員名簿の一番上になっていた。
あの頃の仲間はみんな居なくなってしまったけど、
新しい仲間を迎えて、かつて私がそうしてもらったように後輩たちを指導していった。
今から一年ほど前、私と同じ役職の人が、他店から異動して来た。
私が大事にしていた全てを、その人は否定した。
指導の仕方、仕事の仕方、マニュアル…全てのやり方が、合わなかった。
社会に出たら、苦手な人や合わない人とも仕事をしていかなくてはならない。
上手く折り合いをつけながら、やっていかなくてはならない。
…そんなことは、頭では分かっている。
けど、気持ちが追いつかない。
自分を騙しきれない。
長いこと同じ場所で働けていたことに、「私も成長したなぁ」なんて思っていたけど、
実際はあの学生の頃と何も変わっていなかった。
控えめに意見することはあっても、
その人とぶつかる勇気もなくて、
だからと言って、自分の中に蓄積しないように流すほどの器用さもなかった。
不平、不満、憤り、悲しみ…
それが溜まりに溜まって、ついに決壊した。
就業直前に過呼吸になり、自分でも久方ぶりのパニックに混乱して、息を整えようにも上手くいかない。手も足も出ない状況に、焦りと申し訳なさでぼろぼろ泣き崩れた。
もちろん、この日は仕事ができなかった。
何事だと、後日店長と面談をすることとなり、
話せば話すほど出口が見えなくなり、
そのまま辞めさせてもらった。
10年近くの私の時間は、あっけなく、誰にも打ち明けないままひっそりと終わった。
計画的退職ではないので、もちろん次の仕事も見つけられてなければ貯金もない。
気持ちが少し落ち着いたところで、このブログを始めた。
今まで吐き出せなかったことを、日々思ったことを、
こうして書いていく。
そうすることで、自分と向き合っていく。
打開しなきゃいけない現実に向き合いながら、
気持ちを整理していく。
今日も相変わらずな日々を送っているが、
少しずつ勇気を育てている。
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